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2008.09.18

プエブロ号、万寿台の金日成像、チュチェ思想塔

2日目。平壌市内観光。パスポートは前夜、ガイドに預けさせられました。ガイドが始終一緒に行動で、平壌の治安の良さは朝鮮政府自慢のはずなのに、何故に?パスポートは海外では命の次に大事と言いますから、よく考えると人質取られたようでちょっと怖い。コピー取ってヘンなことに使ったりとかしないでね・・・。

プエブロ号
▲プエブロ号。大同江で一般公開されている。(平壌)

まず最初に訪れたのは、ホテルを出て羊角橋を渡って少し西へ行った大同江岸に係留されているプエブロ号という船。1968年に朝鮮に領海侵犯したとして拿捕されたアメリカの情報収集船。乗員米兵1名死亡82名が身柄拘束、11ヵ月後解放するに当たり板門店で北朝鮮が用意した謝罪文にアメリカが署名したということで、アメリカに罪を認めさせた勝利として、船や押収品を反米宣伝のため一般公開しています。僕がこの事件や船の存在を知ったのは、正直つい最近なのですが、一時は日本海に米海軍空母が展開するなど緊迫した事態になったらしいです。

食堂だった部屋で、まず事件の経緯を説明する20分弱のビデオを見た後、女性兵士ガイドのもと(兵士は朝鮮語で話し、旅行社ガイドが通訳)船内を見学。事件云々はともかく、戦後間もない頃の調査艦ということで、操舵室や通信室などは興味深かったです。北朝鮮現地の人々も大勢見学に来ていて、当時拿捕に関わったという退役軍人が甲板で武勇伝を演説していました。

平壌市内の交差点
▲平壌市内の交差点。信号がなく、大きな交差点にはこのように係員が交通整理をしている。向こうは、電話ボックス。(平壌)

トロリーバスとジューススタンド
▲たくさんの乗客を乗せたトロリーバスと、街中のあちこちに見られたジュースか何か飲み物などを売る売店。この日、日中の気温は30度。北朝鮮は涼しいというイメージを裏切られた。(平壌)

次に向かうは万寿台(マンスデ)。周囲は公園として整備されており、万寿台芸術劇場と平壌第一百貨店に挟まれた広場の辺りを、ちょっとだけお散歩。噴水がキレイ。赤いスカーフやチマチョゴリの制服の女学生とすれ違う。ホント「女学生」という表現が似合う、どこかタイムトリップしたような懐かしい雰囲気。

噴水広場を抜け大きな道路を渡り、左に最高人民会議が開かれる議事堂がある坂道を昇っていくと、向こうに見えてくるのは、あの故金日成主席の巨大な銅像。銅像の両脇にある旗をかざして進む人民の彫刻(向かって左側は社会主義革命、右側が抗日闘争を表している)も、立体感、躍動感があってなかなかの迫力。

銅像前の広場にはチリ一つ落ちていないくらい。正装して「巡礼」に次々と訪れる朝鮮人民の人々。周囲に設置されたスピーカから歌が流れるなか、皆持参した花束を献花し一礼。必須らしく、僕も例に漏れず坂道の下の公園では花束を購入(ほぼ強制)。500円と言われ1000円札を出したところ、ユーロ札と人民元硬貨でおつりをくれました。レートも計算もなんだか分かりません。

万寿台の金日成銅像
▲万寿台の頂に立つ「偉大なる金日成同志の銅像」。朝鮮革命博物館に描かれた背景の壁画は、白頭山。(平壌、万寿台)

巨大な銅像に献花し一礼。金日成に頭を垂れるというのは日本人の僕としては正直複雑な気持ちですが、ま、郷に入れば郷に従え。他国にお邪魔しているのですから、形式的にでも礼儀は通しておくべきと考えました。

新婚の男女とその親族と見受けられるグループも何組かいて、ガイドさんによると平壌市民は結婚すると式後、市内の公園や主要スポットをまわるのが定番だそうです。主席に結婚をご報告といったところでしょうか。

千里馬銅像
▲手前が万寿台。千里馬(チョンリマ)銅像が見える。道の向こうは牡丹峰(モランボン)。劇場やモニュメントなどがある。(平壌)

チュチェ思想塔
▲チュチェ思想塔。中央に朝鮮語で「チュチェ」と書かれています。分かりやすい!?(平壌)

再びクルマに乗り込み、大同江対岸にあるチュチェ思想塔に向かいます。河辺の公園に天に向かって聳える、平壌のランドマーク。花崗岩で築かれた170mの石塔。頂点には烽火(のろし)が象られていて、その首元150mの部分がテラス、屋外展望台になっています。1階入口から石塔内部に入ると、中央ホールからエレベーターで展望台まで上がれます(1,000円ちょっと高い)。平壌で買った日本語ガイドブックには「高速エレベーター」とありますが、正直低速、遅いです。1982年建立からそのままなのか、結構旧式な模様。無言のチマチョゴリのエレベーターガール(チョゴレーターガール?)、ガイドと4人で、沈黙のなかゆ~っくり昇っていきます。ちなみに、1基なので一度乗り遅れると、なかなか戻ってこないです。

展望台は風を感じながら360度平壌の景色を楽しめるので、結構爽快です。石造建築物と緑の多い平壌市街は、美しいような懐かしいような、そしてどこか物悲しくもあり、共産圏の都市独特の雰囲気があります。高層マンションや巨大な建物、モニュメントも少なくないですが、どこか20~30年前から時間が止まっているような感覚がするのも不思議でした。

チュチェ思想塔から眺めた平壌市内
▲チュチェ思想塔、展望台から眺めた平壌市内、大同江対岸。中央が金日成広場や、国会図書館に当たる人民大学習堂。(平壌)

ちなみに、チュチェ思想とは、労働党独自の思想体系。1980~90年代、ソビエト連邦と東ヨーロッパ諸国など共産国が次々と消え世界の社会主義勢力が弱まるなか、労働党統治の正当性を強化する意味合いで提唱されました。ちょっと調べてみても、正直結局何が言いたいのかよく分からない部分が多いのですが、自主と自立、人民が国(革命と建設)の主人公であり、国家も国民のためにある、といったことが主題みたいです。なんだかどこかの宗教団体みたいな気がしないでもないですが、ま、ここまではよいでしょう。しかし、そこから論理は段々広がり、結局、人民は手足、労働党は胴体、首領は頭、よって優秀且つ絶対的な首領が必要・・・とつながってしまうのが何とも言い難いところ。

金正日総書記が推し進める先軍政治も軍国主義的で、これらのイデオロギーが、北朝鮮を世界が危険視する大きな要因の一つになっているといっていいでしょう。マスゲームでも、博物館見学でも、事ある毎に、アメリカやかつての日本の帝国主義、軍国主義的行為を憎悪し非難する彼らですが、自らもそれをなぞり、さらにその先の危険な道へと歩んでしまっているやも知れぬ現実を、皮肉と言わずして何と言えばいいのやら・・・。

夜、灯りも少ない平壌の真っ暗な夜景に、煌々と浮かぶライトアップされたチュチェ思想塔の烽火。それを眺めていると、ちょっと胸が痛いような複雑な気持ちになります。

スローガンとプロパガンダ看板
▲市内の何気ない風景。スローガンと、兵士のような絵が描かれたプロパガンダの看板。(平壌)

平壌高麗ホテル
▲移動途中に撮影した平壌高麗ホテル。巨大なツインタワーは印象的。泊まりたかったなぁ。(平壌)

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