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2008.09.20

パレードでおなじみ金日成広場、10m高い!?凱旋門、・・・そして、サヨナラ朝鮮

凱旋門傍にある映画館
▲凱旋門傍にある映画館。平壌国際映画祭関連作品を上映しているのか、建物前は混雑していた。(平壌)

最終日。朝起きてホテル28階の窓から外を眺めると、平壌国際映画会館に人がたくさん集っていました。平壌は17日から1週間、平壌国際映画祭を開催、世界各国の映画関係者が訪朝しているのです。平壌市内数箇所の映画館でも連日参加作品が上映されているようでした。男性ガイドは大学では、「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」などを見ながら日本語の勉強をしたそうです。「寅さんは本当に面白い。日本語は分からないところも多かったが、仕草だけ見ていても笑ってしまう」と言っていました。渥美清はもう10年以上も前に亡くなったと話したら、とても驚いていました。「日本や南朝鮮の映画は暴力や性的な表現が過激と聞いている」というので、確かに低俗な表現、映画もあるけど、良い作品もたくさんありますよと言っておきました。

飛行機の出発は昼過ぎなので、それまで、午前中はもう少し平壌市内を観光。まずは、金日成広場へ。北朝鮮へ訪れるつい数日前の報道で目にしたあの軍事パレードでも御馴染みの場所。花崗岩が敷き詰められた、だだっ広く何もない広場ですが、正面には人民大学習堂(国会図書館のようなもの)、両脇には博物館があります。広場を横切る一糸乱れず兵士の行進、軍事車両の車列、人民大学習堂のテラスに並ぶ労働党や人民軍の幹部、拍手する金正日総書記、・・・あの映像が想起させられます。ちなみに、残念ながら入りませんでしたが、なんでも広場下の一部は、地下商店街になっているとか。軍事パレードをしているそのすぐ下が、地下商店街だと思うと・・・(苦笑)。

金日成広場
▲金日成広場。正面は人民大学習堂。左は朝鮮美術博物館、右は朝鮮中央歴史博物館。(平壌)

金日成広場側から大同江対岸を望む
▲金日成広場側から大同江対岸を望む。中央はチュチェ思想塔。その向こうの建物も左右対称になるよう建てられているのが分かる。(平壌)

次に訪れたのは、凱旋門。金日成主席1945年平壌凱旋を記念して、1982年に建てられたアーチ。明らかにパリのエトワール凱旋門を意識したデザインですが、高さ60mと、意図的に本家より10m高く建てたという思わず苦笑ものの曰く付き。確かに大きくて、迫力ある彫刻が施されていたり、革命賛美の詩が彫られていて見所もあるのですが、150年以上前の1836年に建てられたエトワール凱旋門とは歴史的価値も違いますし、正直どうも素直に評価する気になれない微妙な代物です。ま、そんなこと言ったら平壌市内のチュチェ建築物には微妙なものなど数知れませんが。

平壌凱旋門
▲平壌凱旋門。左には金日成が平壌を出た1925年、右には「凱旋」した1945年の数字が刻まれている。(平壌)

金日成スタジアム
▲金日成スタジアム。かつては牡丹峰競技場と呼ばれていた。(平壌)

すべての観光予定を終了。唐辛子やとうもろこしを脇で天日干ししている道路を抜け、平壌順安国際空港へと向かいます。クルマを降りる際、前日夜、男性ガイドから「別れ際ドライバにはチップを」とひっそり頼まれ用意していた1,000円を、ドライバに渡します。「食事しましたか?」という日本語だけ唯一覚えて(笑)、嬉しそうに連呼していた50代後半くらいの男性ドライバー。しかし、空港入口で長くクルマを止めておけないこともあって、挨拶もそこそこに、チップを受け取る時の表情や仕草も何となく素っ気無く、ちょっと寂しい最後でした。金を受け取るという照れがあったのかな!?実はガイドへのチップは特に要求されなかったのですが、この朝、ガイドの2人にも1,000円ずつ渡しました。「食事代やたばこ代の足しにでもしてください」。日本を発つ前は、チップやお土産は断るガイドもいると聞いていたのですが、結局受け取るんだなぁと(苦笑)。ま、最後になんだかギクシャクするのも嫌だし、渡しておくのが無難と判断した次第です。せっかく日本語勉強したのに、最近は日本語ガイドの仕事も少なくて大変みたいですし、これからも日本人を宜しくという感じで。

出国手続き前でガイドの2人ともお別れ。たった数日だったとはいえ、やはり寂しいもの。「また平壌にも来たいです。お二人も日本に来ることがあるといいですね」と言うと、少し伏せ目がちに「それはないと思います」と言った女性ガイドの表情が印象的です。語学も堪能な二人ですが、国外には出たことないとか。二人とも旅行中、日本や南朝鮮(韓国)、僕が行った海外の話を興味深く聞いてきました。旅行社で働くくらいですからきっと外国にも興味があることでしょう。男性ガイドは一度妻が仕事で中国に行く際に付いて行こうとしたけど国から許可が下りなかったという話もしていました。日本では、英語も苦手で、ワーキングプアな僕でも一応海外旅行が出来ます。それだけでも幸せかな、ありがたいなと思いました。

pm12:30平壌発。いよいよ北朝鮮とさようなら。まずは1時間程度で中国・瀋陽まで。その後大連、関空、羽田と再び全10時間程度の旅。報道やネットなどの情報の上でしか触れられない、まるで架空のように感じていた近くて遠く遠かった北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国という国。観光客である僕が見ることが出来た姿は、この国のごくごく一部で、ほんの一端でしかありません。しかしながら、例え制限や抑圧溢れる国であっても確かに、そこには多くの人たちが、暮らし、学び、働き、遊び、怒ったり笑ったりしていました。それに少し触れて感じることが出来ただけでも、この旅の意義はあったのではないかと思います。

平壌順安国際空港にて
▲平壌順安国際空港での光景。(平壌)

高麗航空の機内
▲高麗航空(エアコリョ)の機内。

高麗航空機内で出た機内食。チキンサンド
▲帰路の高麗航空機内で出た機内食。チキンサンド。バンズは潰れてますが、味は食べられないことはなかった。

パスポートを開くと、中国への出入国スタンプは往復分2つずつありますが、北朝鮮への出入国については、一切形跡が残っていません。日本は朝鮮民主主義人民共和国を国家として認めておらず国交がないので、「出入国」もないというわけです。
羽田の荷物検査時、お決まりの「観光ですか?おひとりですか?どこへ行かれてましたか?」に「中国・瀋陽です」と答えると、スーツケースを開けるように言われました。朝鮮語のパッケージのお酒やお土産が入っていたので、つかさず「北朝鮮にも行きまして」と付け加えたりして。なぜか凄く焦ってしまうのはなんででしょう(苦笑)。「北朝鮮ですか!?最近いろいろあるみたいですけど、大丈夫でしたか?」なんて、微笑みながら聞かれました。優しく好意的な口調ではありましたが、実際はいろいろ探られていたのかも。

出発前に金正日総書記が倒れたというニュースがあり不安もありましたが、そのような報道は現地では一切されていませんでした。話を聞いて「以前も何度もありましたよね?」とガイド。「今回は信用度が高く、容態も深刻って言ってましたよ」と言うと、「総書記は元気ですよ」と笑っていました。ただ、金正日も人間である以上、北朝鮮がこの「指導者」を失うときはいずれ必ず来ます。日本のメディアでは「金正日後」の後継者当てに余念がありませんが、党や軍の集団指導体制に移行する可能性が高いのではないでしょうか。一気にクーデターでも起きて民主化すればよいですが、労働党や軍の力、チュチェや社会主義という思想統制も僕らの想像以上に強いようです。例え金正日を内心よろしく思っていない人は多くても、その後すぐに自由主義国家へと向かうかどうかは、アメリカの工作でもない限り、難しいかもしれません。中国やベトナムのように、徐々にでも自由化され、対外強硬路線が和らいでいけばまだよいのですが・・・。

北朝鮮土産のお菓子
▲平壌のお土産屋やホテルで購入したお菓子。上2つがキャンディ、下左が落花生を砂糖でコーティングした豆菓子、下右がクッキー。食の安全は禁句。

北朝鮮土産の雑貨、民芸品
▲平壌のお土産屋で購入した雑貨品。

開城で買ったお酒
▲開城、成均館のお土産コーナーで購入したブルーベリー+朝鮮人参のお酒。7ユーロ(約1,000円)だったと思う。左の木の箱に惹かれた。未だ開けていないので味は不明。

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コメント

初めまして。私も平壌で朝鮮人参飴買いました。1個食べた後放置してます・・・
平壌は首都だけあって割とキレイでしたね。住民の暗い感じとかは無かったです。
昔よりはマシになったと思いたいです。

>ヒデ★さん
コメントありがとうございます。
朝鮮人参飴ですか!?あまり美味しくないんですね。。。
平壌はここ数年ファッションとか携帯とか急速に近代化してきているようですね。柳京ホテルも一部開業など建設ラッシュらしいですし。

しかし、それが真の発展でなく、その他多くの人民の犠牲の上に成り立っていて、また平壌も含めて食糧事情は相変わらずということですから、胸が痛みます。

上の記事を書いた時の希望的観測に反し、なかなか金王朝の終焉や自由化も見えないですし、近くて遠い国、やはり気になりますね。

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