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2006.10.29

「父親たちの星条旗」

父親たちの星条旗」を観て来ました。
クリント・イーストウッド監督。第2次世界大戦、最も過酷だった戦闘の一つとされる硫黄島の戦いを舞台に、アメリカ側と日本側、双方の視点で描く2部作の第1弾です。

戦場のシーンは、リアリティがあって残酷で重いです。「軍は兵士を見捨てない」という言葉を信じていた兵士たちを、容赦なく地獄へと陥れていく戦争の現実。被弾や死体の残酷さも遠慮なく描いていますが、モノトーンに近い映像と、過剰に感情を煽ることなくどこか淡々と静かな目線が、逆に戦場の悲惨さを際立たせていました。

しかし、この映画のメインテーマは硫黄島の戦いの悲惨さそれのみではありません。擂鉢山に旗を立てた写真で一躍"英雄"に祭り上げられ、長引く戦争に沈滞ムードが漂い始めたアメリカ本国において、戦時国債の広告塔を負わされる兵士たち。その写真に隠された秘密、自分たちが英雄とされることへの葛藤、・・・。国とは何か、戦争とは何か、英雄とは何か。この映画は、過度な反戦メッセージを押し付けたりはしません。しかし、イーストウッド監督は、淡々とエピソードを描くことで、単純な善悪などでは語れない戦争の複雑さ、悲しみを伝える映画に仕上げていると思います。

ここ数年日本国民は、官僚主導の政治に嫌気が差し、アメリカへの従属を疑問に感じ、中国や韓国、そして北朝鮮に対する国の不甲斐ない態度にフラストレーションが溜まっていたと思います。強い国、強いリーダシップを求める風潮があるのも事実。そうしたなか、先だって誕生した安倍政権は、憲法改正を推し進めるとともに、北朝鮮の脅威も影響し、核武装論を持ち出す閣僚が現れ、NHKには拉致問題に関する命令放送を検討するといった動きまで見せています。急速な右傾化に違和感を感じているのは、僕だけではないはずです。日本では、こうした問題に、ある人は過剰なほど強硬的だし、ある人は信じられないほど無関心。その落差がこの国をあらぬ方向に走らせてはしまわないか、ちょっと心配な気もします。

少々話が逸れましたが、現在の日本においても、先の大戦、そして戦争というものは、決して無縁ではありません。いやむしろ昨今考える機会が増えてさえいるように思います。ちなみに、この映画には日本軍や日本人に関する描写は省かれています。アメリカの日本への憎悪などの描写もありません。戦争にはそれぞれに立場と正義があり、兵士個人個人にもそれぞれ戦う理由や思いがあるということでしょう。こうした描き方は、昨年の邦画「男たちの大和 YAMATO」でも見られましたね。

12月には、その今回触れられなかった側面、日本側の視点から描いた「硫黄島からの手紙」が公開される予定です(本作のエンドロール後に予告編があったのですが、なかなか面白そうでしたよ)。僕たちの国が、そして僕たち自身が、戦争というものとどう向かい合うべきなのか、じっくり考えるよい機会となるような気がします。

http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/

父親たちの星条旗

父親たちの星条旗(原作本)

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こういった戦争もので双方からの視点でっていう試みは
初めてですよね~~。とっても興味深いです(`・ω・´)b

>よちこさん
考えてみると珍しいですよね。
日本版もかなり予告編では面白そうでした。後ろの席にいたカップル客なんて、「なんか日本版のほうがもっと面白そう」って言っていたくらい。ま、なんかケン・ワタナベはカッコ良過ぎやしないかって気はしましたが。

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