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2006.01.09

音楽の消費財化と志向の細分化

あなたは最近、誰かの新譜のリリースを待ちきれずドキドキしたことはありますか?あなたがみんなと歌える昨年のヒット曲はどれだけありますか?

ネットでのダウンロード販売によって、音楽が身近になったと感じる一方で、なんだか軽くなってしまったと感じることはありませんか?僕が子供の頃は、1枚のCDを買うことがとてもビッグイベントで、好きな楽曲は聴き込んで聴き込んで、ラジオのヒットチャート番組にも必死にリクエストしたりしてました。それが現在では、一聴CDと変わらない音質の音楽ファイルが(違法もひっくるめて)簡単に手に入り、フラッシュメモリやHDDを搭載したヘッドホンステレオで、何百、何千という楽曲を常に携帯している・・・。

90年代、小室哲哉プロデュース作品が席巻したのをはじめ、ビッグセールスが連発、日本の音楽業界は史上稀にみる好景気に沸きました。続々生まれるミリオンヒットに、妬みも含めて、"これは音楽の消費財化だ"という批判も多々聞かれました。小室氏などはその功罪を問われることも少なくありませんでしたが、いま冷静に考えてみるとどうでしょう。少なくとも、タダで違法なダウンロードをするでもなく、1つのCDを200万、400万の人たちがお金を出して手に取った。一時期低迷していたテレビの音楽番組は息を吹き返した。カラオケも盛り上がった。決して消費財などではなく、時代と人の心を彩ったに違いないと思います。日本経済全体では不況が叫ばれるなかにおいても、音楽はそれをものともしない勢いでした。

昨今ビッグセールスが出にくくなった要因に、大衆的ヒットを生み出しづらくなった背景、音楽志向の細分化などと言われていますが、それでは業界全体の売上高の減少は説明できません。もちろんみんなでうたえる歌がないからと言って、音楽全体として悪いこととは言えません。一つの音楽、楽曲で多くの人が分かり合えれば、それは楽しく素晴らしいこと。しかし、それぞれの人がそれぞれの音楽を愛して、それぞれの楽曲に強い思い入れがあれば、それはそれでもいいのかもしれません。

ただ僕が危惧しているのは、フラッシュメモリやHDDの中に、何百、何千という楽曲が埋没し、本当の消費財化になってしまうのが怖いということ。自分の好きなアーティストの作品にさえ、お金を払うのは嫌だと思うような人が増えているとしたら、それは音楽が身近になったと単純に喜んでいればいいという話ではないような気もします。

最近、80年代、90年代のアーティストが見直されたり、カバーやトリビュートが多くなってきています。かつては消費財と揶揄された小室プロデュース作品もしかり。当然その時代に青春時代を過ごした世代の懐古もあるでしょうが、それだけではないように思うのは僕だけではないはずです。

僕はストイックに芸術性を追及するような音楽とはまた別に、エンタテインメントとして、時代を大衆文化を彩り映し出す鏡としての音楽も必要なのではないかと感じています。しかし2000年代の音楽業界において、これまでのビジネスモデルではその役割が機能しなくなってきているのかもしれません。昨今のハリウッド映画やゲームなどにも言えることですが、志向がバラバラになるとメインストリームを形成しづらくなり、大型のエンタテインメントというのはなかなか作るのが難しくなってくるもの。これをどう各業界が打開していくのかは大きな課題ですね。

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