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2006.01.15

「男たちの大和 YAMATO」

映画「男たちの大和 YAMATO」、観て来ました。

戦艦大和と乗艦した兵士たちの物語。終戦間際、水上特攻を命じられた大和ですが、この映画には一切「天皇陛下万歳」とか「靖国」がどうとかいう話は出て来ませんし、あまり突っ込んだ歴史描写や政治的描写もありません。その点で批判される向きもあるようなのですが、「下士官たち、ごく一般人としての視点で描く」というコンセプトから、あえてそのような部分や政治色を極力排除したと言うのは賢明な選択ではないかと思います。確かに「天皇陛下万歳!」と叫んで死んでいった者や、靖国で祀られる事を支えに戦いに挑んで行った者もいたでしょう。しかし、彼らがあのような壮絶な闘いへと身を投じた理由の根幹は、この映画が描いているような、愛する家族や友、故郷、祖国を守りたいという純粋な気持ちにあったと信じます。

戦争そのものが過ちであったことは確か。敗戦国、加害者としての謝罪と反省の念を持つことが大切なのも確か。だけれども、大半はその戦争を好むと好まざる関係なく呑み込まれていった日本兵たちの命を懸けた決意や思いの尊さを知ることも、日本人としては同じくらい大切なことだと思います。過度なナショナリズムは危険ですが、いまの自分や自分を取り巻く環境が、彼らのような先祖の思いや犠牲の上に成り立っているのだという意識や感謝の念は、人間として持ってしかるべきだと思います。はからずも近年、中国や韓国との歴史問題や靖国問題などにおけるゴタゴタに刺激され、逆に日本人のナショナリズム的な意識が高まっているのは皮肉なものですが。

映画に話を戻しますが、6億をかけたという大和の甲板での砲撃戦闘シーン、終盤の水上特攻戦の迫力はなかなかのものがありました。CGなどもフィルムっぽいフィルタをかけたりして、限られた予算でうまく見せる努力がなされてたりで、日本映画としてはなかなか見応えのある映像になっていたと思います。艦隊の他の船の存在が感じられないとか荒を探せばあるにはありますが、細かいことを言うとキリがないですしね。

人間ドラマについては、恋人、夫婦、親子、兄弟・・・様々な別れが描かれていて、涙腺が刺激されることは必至です。「死んじゃらいけん・・・」の連発に、お隣の席の初老の夫婦などは号泣してらっしゃいました。この映画、主演は反町隆史、中村師童となっているようですが、本当の主演は神尾克己年少兵演じる松山ケンイチです。彼と、彼を慕う幼なじみの妙子(蒼井優)のエピソードは、とても胸打たれました。ふたりの演技も良かったし。ただ、その他にもそれぞれの兵士に対するエピソードが艦上も含めて多少散漫な印象があったのは残念なところですね。よく分からない伏線もいくつかありましたし。途中戦況解説シーンや資料映像などが挿入されることも相まって、エピソードが羅列されたドキュメンタリーを見ているような感覚に少しなる部分もあったかも。もっと神尾青年なら神尾青年に絞って描いても良かったのかなぁとは感じたかな。あと鈴木京香と仲代達矢の現代劇の部分も少々冗長かと。心臓発作の件とかはいらなかったんじゃないかなぁ・・・。

昨年公開の日本映画は、「ローレライ」や「亡国のイージス」、「戦国自衛隊1549」と戦争をテーマにした大作が目立ちましたが、そうしたなかでは突出した出来の良い作品だと思います。73歳の佐藤純彌監督・脚本だけに、前述の作品群なんかと比べると演出方法などは古臭いと感じるかもしれませんが、その分戦争や大和への思いというのは断然伝わってきたと思います。決して「北京原人」の監督であるとは思えませんので、その辺はご安心を(笑)。

http://www.yamato-movie.jp/

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コメント

目をつけてはいましたが、素敵な作品なのですね~。YAMATO。
でも映画館には見に行けないですね(汗)
間違いなく、号泣してメイク崩れまっす!

ほほー、観に行かれましたか。

大和の沖縄特攻の大筋は書籍やドキュメンタリーで知っていますが、その渦中の人間ドラマにも目を向けたいですね。

因に、沖縄特攻に向かった伊藤艦隊は大和を含めて軽巡洋艦が1隻、駆逐艦が8隻、全10隻。対して沖縄に向かっていたアメリカ海軍太平洋艦隊の第58任務部隊は空母7隻、軽空母2隻、戦艦6隻、重巡洋艦2隻、軽巡洋艦9隻、駆逐艦56隻。伊藤艦隊に接近していた敵艦載機は300機以上でした。

昨日からかわぐちかいじのジパングのDVD見始めました。
超たのしい!
不景気だと国が右傾化するってね。

>なおみさん
メイクが崩れたら、誰だか分からなくなるから思いっきり泣いても恥ずかしくないかも!? 映画館行くならナチュラルメイクでヘ(ё_ё)ノ

>和アンリさん
詳細な機数ありがとうございます。さすが軍事アナリスト( ̄ー+ ̄)そうした艦隊の全貌が伝わらなかったのは、この映画の残念なところの一つですね。やはりドラマ主体のコンセプトによるのでしょうね。

>かんたろうさん
「沈黙の艦隊」の人のマンガですよね。詳しく知らないのですが、イージス艦が大戦の時代にタイムスリップするんですか!?戦国自衛隊・・・ではないですよね?(笑)

不況で右傾化とは確かに聞きますが、昨今はなんだか、アメリカでもフランスでも中東でもアジアでも、世界中で右傾化が進んでいるような感じもするのは気のせいでしょうか。悪いことばかりだとは思いませんが、ちょいと心配です。

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