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2004.10.12

ドッグヴィル、見ました

やっと見ました「ドッグヴィル」。衝撃を受けた「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォントリアー監督の最新作ということでずっと気になっていたのですが、結局今になってしまいました。

ロッキー山脈の麓にある村・ドッグヴィル。外界から孤立したこの村に、ギャングに追われ逃げ込む女性・グレース。彼女は匿ってもらう代償に村人の様々な世話や手伝いで奉仕することになる。数週間経ち、心閉ざしていた村人たちにも受け入れられ打ち解け始めたかと思われた。しかしさらに時が経つと、歯車は次第に狂い始め、疑念や嫉妬、誤解、そして欲望に憑かれた村人たちが静かに牙を向き、彼女に酷い仕打ちを施していく・・・。といったストーリー。

また重い内容です。前半はそうでもありませんが、村人の態度がエスカレートする中盤以降、これでもかというくらい人間の自分勝手で、浅まして、残酷な部分を見せつけられます。しかしそれをただ「こいつらは酷い奴らだ」と蔑むことで終わらせられない何ともいえない気持ちは、デフォルメされてはいるもののきっとそれが誰しもにある人間の本質の一部であるからなのかもしれません。

「ダンサー~」でも主人公のセルマはやはり酷い仕打ちを受けますが、あのときセルマに同情し涙した時とはまた少し違った感触がしました。ニコール・キッドマン演じるグレースは、知的さと色気を併せ持っていて、ピュアで罠と誤解に流されていったセルマと比べると、どこか不条理な村人たちを冷めた目で見つめている感もある。それが終盤で言われていた「傲慢」さなのかもしれませんが。そして、彼女を匿うことを提案し、庇い、愛していると思われた男・トムも、結局は自分勝手に彼女を利用していただけという虚しさ。閉鎖的で偽善的なドッグヴィルを批判していたトムですが、グレースはドッグヴィルを試すために届けられた"贈りもの"だと称し、彼女と村人を翻弄した彼こそ一番「傲慢」だったとも言えます。

エンディングは、「ダンサー~」のようにそのままヒロインの悲劇では終わりません。悲しく残酷ですがこれもまた人間かと思わされ、セルマの絞首刑で受けた直接的な衝撃とはまた違った余韻が残ると思います。ただ、映画の前半はわりと淡々と進みますし、正直3時間近い尺は長すぎる気もします。そうそう最初に書きそびれましたが、この映画はすべてセットでの撮影で、村は家や物を最小限に省略したセットで構成されています。見始めはちょっと違和感がありますが、演劇のように見ているうちあまり気にならなくなりますし、むしろ余計なものが少ない分、村人の姿や表情がより顕著に見えてくるようにさえ感じます。村人役の脇役俳優たちも憎々しくて、なかなか良い演技です。

愛に涙したい、勇気に感動したい、そういうときに見る映画では決してありません。嫌~な気分だけが残る人もいるでしょう。しかし、時にはこんな映画を見て、人間を考えてみるのも面白いし無駄にはならないんじゃないかなぁと思います。もしかしたら、私たちの住んでいる街も大してドッグヴィルと変わらないかもしれませんよ。


ドッグヴィル

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